しかし、船出は初日から激震に見舞われます。2014年1月25日に行われた就任記者会見において、従軍慰安婦問題や国際放送のあり方について踏み込んだ見解を次々と表明しました。なかでも「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」という発言は、放送法が定める「不偏不党」「表現の自由」の根幹を揺るがすものとして国内外から猛烈な批判を浴びることになります。
この会見直後からネット上では「公共放送のトップとしての適格性に欠ける」「政権への過剰な忖度ではないか」といった厳しい意見が殺到。NHKの視聴者センターには数万件規模の抗議電話やメールが寄せられる事態に発展しました。のちに籾井氏は発言を個人的な見解として取り消したものの、就任早々に生じた社会的信頼の失墜は、その後の任期全体に暗い影を落とす結果となりました。