滞在中のハイライトの一つとなったのが、ブラジル連邦共和国のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領との公式会談である。大統領府で行われた会談は、始終和やかな雰囲気に包まれた。伝統的なプロトコルを重んじつつも、相手の懐にすっと飛び込む佳子さまならではの誠実な対応が、首脳陣の緊張を解きほぐしたという。
会談中、ルーラ大統領から日系社会がブラジルの近代化に果たした多大な貢献について感謝の言葉が述べられると、佳子さまは深々とうなずかれ、両国の先人たちが築き上げた苦難と栄光の歴史に思いを馳せられた。事前に徹底して現地の社会情勢や歴史を学ばれていた佳子さまは、予定時間を超えて熱心に対話を重ねられた。その姿は、単なる「微笑みの外交」を超えた、確かな知性と真摯な意志を感じさせるものであった。