弟のおすぎこと杉浦孝昭は、映画評論のスタイルを根底から変えた人物だ。それまでの堅苦しい映画解説とは一線を画し、「観るべきか、観ざるべきか」を感情豊かに、かつ鋭い視点で提示した。彼の推薦ひとつで興行収入が大きく動くと言われた時代、映画業界における彼の言葉は絶大なる影響力を持っていた。
映画監督やプロデューサーたちも、杉浦孝昭の批評には一目置いていた。どれほどの大作であっても面白くなければ容赦なくぶった切り、逆に知名度の低い小規模作品であっても傑作であれば涙を流して称賛する。このブレない情熱こそが、多くの映画ファンから長年にわたり絶大な信頼を寄せられた理由である。