特に注意が必要なのが、中高年の女性に多く発症する原発性胆汁性胆管炎(PBC)という疾患だ。厚生労働省の指定難病にも登録されているこの病気は、免疫の異常によって肝臓内の小さな胆管が破壊され、胆汁が流れにくくなる難病である。
原発性胆汁性胆管炎の最大の特徴は、黄疸や肝不全といった深刻な症状が現れる数年前から「全身の強いかゆみ」が先行して出現する点にある。健康診断の血液検査で異常を指摘される前に、かゆみだけで発症に気づくケースも珍しくない。
日本肝臓学会のガイドラインでも、原因不明の難治性瘙痒(そうよう)を訴える患者に対しては、早期に本疾患を念頭に置いた精密検査を行うことが推奨されている。初期段階で発見できれば、進行を抑える有効な薬物療法が存在するため、見逃しは厳禁だ。