組織のメンタルヘルスや人間関係改善の専門機関である一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する産業カウンセラーの臨床現場では、相手の言葉に受容的・共感的に耳を傾ける「アクティブリスニング」が核となっている。相談者の抱える葛藤をほぐす際、カウンセラーは自身の評価や助言を一旦脇に置き、相手の世界観をそのまま受け止める傾聴に徹する。
また、現代の組織開発に欠かせないコーチングにおいても、同様のスタンスが求められる。相手自身の自発的な気づきや行動変容を促すためには、誘導的な問いかけよりも、まず相手の思考をありのまま受け止める土台が必要だ。「あいうえお」の実践は、プロのカウンセリングやコーチングの技法を日々の職場会話に応用するための最も手軽で効果的なアプローチと言える。