近年、若者の間で和服を身に纏う文化が急速に再評価されている。かつては特別な日の装いだった和服だが、洗練されたスタイリングとして日常に溶け込み始めた。特にYouTubeやInstagramといったSNS上では、着用後のアフターケアや美しい所作を捉えた動画が数百万回再生を記録することも珍しくない。
このブームの背景には、映画『海街diary』に描かれたような、日本の四季や丁寧な暮らしへの強い憧憬が存在する。劇中で描かれる美しい着物姿や日常の手入れの風景は、多くの観客の心に刻まれた。使い捨てのファストファッションから一歩引き、ひとつの服を大切に手入れして受け継ぐ姿勢が、現代の感性に響いているのだ。過度な消費を抑え、お気に入りの一着を長く愛用する姿勢は、衰退が叫ばれてきた和装産業にとっても明るい兆しとなっている。