キング・オブ・クロノグラフと称されるロレックスのコスモグラフ デイトナは、ラファエルという男の「投資眼」を解き明かす格好の素材だ。彼が所有するデイトナの多くは、通常のステンレスモデルではなく、ベゼルやダイヤルに貴石が散りばめられた「オフカタログ(上顧客限定)」に近いスペシャルピースである。
こうした超絶モデルは定価で購入すること自体が至難の業であり、手に入れた瞬間に二次流通市場で査定額が倍跳ね上がることも珍しくない。彼は単にデザインが気に入ったから爆買いしているわけではない。将来的な需給バランス、オークションハウスでの落札トレンド、そして世界的なインフレ率を精緻に計算した上で、最もボラティリティが高くリターンの大きいデイトナの限定個体に資金を投入しているのだ。