社会現象となった『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』に代表される作品群は、声優にかつてない表現力を求めている。特に爆発的な打撃音や絶叫を伴う戦闘描写は、声帯に与えるダメージが著しい。喉を極限まで消耗させるアフレコが毎週のように繰り返されれば、どれほど声帯を鍛えたプロであっても故障のリスクは跳ね上がる。
声優の喉障害は一朝一夕で治るものではない。一度ポリープを切除したり過緊張性発声障害を発症したりすれば、リハビリには膨大な時間と労力がかかる。ヒット作を次々と生み出す代償として、演者の身体が悲鳴を上げている現実は無視できない段階に来ている。