多くの生徒が人権作文で最初につまずく最大の要因は、「人権=戦争・差別・難民問題など、自分から遠い大問題について書かなければならない」という先入観にあります。しかし、全国中学生人権作文コンテストをはじめとする主要な公募で入賞する作品の多くは、実はごくありふれた日常の一コマから始まっています。
人権作文のテーマ選びで最も大切なのは、「自分が心を動かされた体験」や「モヤモヤした違和感」を探す作業です。具体的には、以下のような身近な人権問題の具体例を振り返ってみるのが確実です。
- SNSや言葉の使われ方:LINEグループでの何気ない一言で友達を傷つけてしまった(あるいは傷つけられた)経験。
- 学校生活の日常:部活動で意見が合わなかったときの対応や、クラスで孤立しそうになった生徒への声かけ。
- 家族や地域との関わり:祖父母の介護を手伝う中で感じた高齢者の暮らしにくさや、街のバリアフリー設備の不足。
- 多様性(ダイバーシティ):外国にルーツを持つ転校生とのコミュニケーションや、性別による役割の固定観念への疑問。
特に定番であるいじめ問題をテーマにした人権作文を書く場合、「いじめは絶対にダメだ」という当たり前の主張だけで終わらせてはいけません。「なぜ傍観者になってしまったのか」「その時、自分の中でどんな心理的葛藤があったのか」という当事者意識をさらけ出すことこそが、読み手の心を打つ文章を生み出します。