こうした指の寸法や手全体の形状データは、単なる学術的知見にとどまらない。日本における産業応用の中核を担っているのが、国立研究開発法人「産業技術総合研究所」だ。
産業技術総合研究所が長年にわたり蓄積・更新してきた「人体寸法データベース」は、日本人の精緻な解剖学的測定値を網羅している。スマートフォンの画面サイズ設計、人間工学に基づいたキーボードやステアリングの形状、さらには医療用手袋やリハビリ器具の開発に至るまで、多様な製品開発の基礎として活用されている。特に急速な拡大を見せるヘルスケア産業においては、個人の手に完璧にフィットするウェアラブルデバイスや医療機器の設計において、このデータベースが欠かせないインフラとなっている。