大正3年(1914年)、日本大学柔道部の歴史は高橋徳次郎師範の手によってその第一歩を踏み出した。当時の日本社会において武道は単なる身体運動にとどまらず、精神の昇華を目的とした教育の一環であった。高橋師範が掲げた「心身の一体化した鍛錬」という教えは、1世紀以上の時を経た今もなお、桜ヶ丘の道場に色濃く息づいている。
草創期の試行錯誤を経て、日本大学柔道部は急速に全国規模の頭角を現した。学術と武道を両立させる「文武両道」の精神のもと、法学部や文理学部など多岐にわたる学部から集まった精鋭たちが、日大独特の強靭な骨太柔道を形成していったのである。