都市開発を進める行政やディベロッパー側も、歴史を完全に無視しているわけではない。新しいビルの一部に震災や戦災のメモリアルスペースを設ける計画は存在する。しかし、それは往々にして、美しくデザインされた「誰も傷つけない展示物」になりがちだ。
飢えと病に苦しみ、駅の片隅で誰にも看取られずに死んでいった子供たちの泥臭い現実。それを、現代の洗練された商業空間の中にどう落とし込むのか。単なる観光資源としての「アニメの聖地化」にとどまらず、戦争の悲惨さを伝える生々しい記憶の装置として機能させるには、より踏み込んだ表現が必要とされるだろう。