楽曲の魅力を決定づけているのが、作詞・作曲を手掛けた琴五郎による卓越した情景描写とメロディラインです。琴五郎は、トラックドライバーの現場用語や心理状態を徹底的に研究し、単なるフィクションに留まらない血の通った言葉を紡ぎ出しました。
演歌の世界では定番の「酒」「未練」「雪」といった様式美から一歩踏み出し、クラッチを繋ぎ、重い車体をコントロールしながら夜明けの空を見上げるドライバーの孤独と誇りを鮮やかに描写しています。昭和後期から平成にかけて隆盛を極めたデコトラ(アートトラック)文化や「街道美学」と呼ばれる独自の美意識が、琴五郎のシャープな作編曲と山本譲二の野太いハスキーボイスによって極上のエンターテインメントへと昇華されたのです。
楽曲の発売日以降、テイチクエンタテインメントからリリースされた『山本譲二 2018年全曲集』をはじめとする歴代のベスト盤や収録アルバムに欠かさずラインナップされている事実こそ、この曲が一時的な流行歌ではなく、カタログの柱として長く求められ続けている証拠といえます。