本部周辺は本来、六甲山の麓に広がる穏やかな高級住宅街だ。近隣住民にとって、この特別な住所と隣り合わせで暮らす日常には、複雑な感情が入り交じる。かつては年末の餅つきや子供向けイベントなど地域との接点を保とうとする動きもあったが、法改正と取り締まりの激化に伴い、そうした光景は完全に姿を消した。
「パトカーの巡回が絶えないため治安上の安心感はあるが、常に緊張感が漂っている」。長年この地域に住む住民はそう語る。不動産価格への影響や、抗争事件への巻き込まれに対する潜在的な不安は消えない。警察による厳重な警備と使用制限命令によって一定の静穏は保たれているものの、巨大組織の影は今なお地域社会に重くのしかかっている。