元少年の足跡を語る上で欠かせない転換点が、2015年6月に太田出版から刊行された手記『絶歌』だ。32歳となった元少年が自らの罪と半生を綴ったとされるこの手記は、被害者遺族への事前の連絡や了解がないまま出版され、日本中で激しい激論と批判の嵐を巻き起こした。
さらに同年、元少年は自作の公式ウェブサイトを開設し、不気味なアートワークやメッセージを発信。この行動は、彼が単に静かな社会復帰を望んでいるのではなく、自らの存在を世間に誇示しようとしているのではないかという強い不信感を植え付けた。メディアやネット特定班の追跡意欲を再燃させたのは、皮肉にも加害男性自身の積極的な自己表現行動だったと言える。