近年の日本映画界に金字塔を打ち立てた怪獣映画といえば、庵野秀明総監督による『シン・ゴジラ』と、第96回アカデミー賞で視覚効果賞に輝いた『ゴジラ-1.0』が記憶に新しい。これらの作品で圧倒的な臨場感を生み出した陰には、陸上自衛隊と防衛省による全面的な撮影協力があった。
『シン・ゴジラ』で描かれた自衛隊の部隊移動や作戦会議のシーンには、実際の装備運用や作戦展開のノウハウが緻密に反映された。陸上自衛隊朝霞駐屯地をはじめとする実際の拠点がもつ重厚な空気が画面全体を包み込み、フィクションである怪獣の脅威と現実の防衛機構との緊迫した対峙が見事に表現された。映画表現と安全保障の現場が見事に融合した傑出の例といえる。