近年の医療ドラマが描いてきたスマートで天才的な医師の姿とは一線を画し、本作が焦点を当てるのは、まさに命の泥臭い泥沼の中で立ち続ける看護師たちの「手」だ。石原さとみ自身、役作りにあたって医療現場の現実に強い関心を寄せ、実際の看護師たちが直面する慢性的な人手不足や夜勤の過酷さ、患者との感情的な葛藤を徹底的に取材したという。
医療業界が長年抱える構造的課題や、現場で働く人々の心の叫び。それらを単なる社会派ドラマとしてではなく、血の通った人間ドラマとして表現するために、彼女は皮膚感覚のリアリティを追い求めた。「看護師の手は、患者が最初に触れる温もりであり、最後に握る救いでもある」。そう語ったという彼女の演技は、視聴者の胸を締め付けるほどの切実さを帯びている。