首都高速道路といえば、高架とコンクリートに囲まれた無機質な空間を連想する人が多いかもしれない。しかし、その先入観はここ川口の地に足を踏み入れた瞬間に吹き飛ぶ。隣接する約15ヘクタールにおよぶイイナパーク川口の豊かな緑とシームレスにつながる設計は、ドライバーの疲労回復にとどまらず、都市空間における緑地の役割そのものを再定義した。
風が吹き抜ける芝生広場や池のほとりでは、長時間の運転で強張った体をほぐすドライバーの姿が日常の光景だ。「以前のPAはトイレを済ませて数分で立ち去る場所だったが、ここでは気づけば1時間近く散策している」と明かすのは、埼玉と都内を頻繁に往復する物流トラックのドライバー。空間の質的な変化が、利用者の滞在時間と体験そのものを劇的に変容させている。