各大学の公表する「全体合格率」を鵜呑みにすることは、受験生にとって致命的な判断ミスを招きかねません。数字のベールを剥がすと、法科大学院未修者合格率格差と法科大学院既修者合格率比較が浮き彫りになります。
東京大学や京都大学、一橋大学などの超上位校であっても、法学部出身者や予備校等で体系的学習を修めた「既修者(2年コース)」の合格率が70〜75%に達するのに対し、法学初学者を対象とした「未修者(3年コース)」の合格率は25〜35%前後まで激減します。私立中堅校に至っては、未修者の合格率が10%を割り込む事例も珍しくありません。
なぜここまで未修者が苦戦するのか。取材に応じた大手予備校講師は「カリキュラムの構造的破綻」を指摘します。
「法学未修者コースの1年次は、わずか1年間で憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法・行政法という膨大な基本7法を網羅させられます。しかし、司法試験の本質は知識の暗記ではなく、規範を具体的な事案に当てはめて法的主張を組み立てる『論理的起案力』です。初学者が膨大な抽象概念を咀嚼する間もなく既修者と同じ実戦演習に放り込まれるため、消化不良のまま脱落していくケースが後を絶ちません」
未修者として入学し合格を掴むためには、大学の講義をただ受動的に受けるだけでなく、自主的な演習や答案指導を徹底して補う覚悟が求められます。