現在、スイスで外国人の自死幇助(介助自殺)を受け入れる団体への申請プロセスは、かつてないほど綿密な精査が求められている。希望すれば誰もがすぐに受け入れられるわけではない。判断能力(事理弁識能力)が完全に保たれていること、回復の見込みがない耐えがたい苦痛が存在すること、そして本人の自由意思による持続的な希望であることを証明するために、膨大な医療記録の翻訳と現地医師による複数回の面談が課される。
経済的なハードルも極めて高い。現地団体への年会費や手続き費用、スイス国内の医師による診断・鑑定費、致死薬の処方費、さらには現地での火葬や遺骨搬送の手続き費用を含めると、最低でも200万から300万円規模の資金が必要となる。円安の進行や現地物価の上昇に伴い、渡航費や介助者の滞在費を含めた総額はさらに膨らむ傾向にある。経済的困窮者に対する減免措置を設ける団体もあるが、審査基準の引き上げとともにハードルは年々高くなっているのが現実だ。