彼女を取り巻く運命が暗転し、日本中の注目を集めるきっかけとなったのは、一冊のベストセラー書籍だった。作家の百田尚樹氏が執筆し、幻冬舎から大々的に刊行されたノンフィクション書籍『殉愛』である。
同書は、食道がんと闘う夫を献身的に支え続けた純愛物語として世に送り出された。発売直後は感動のドキュメンタリーとして賞賛を浴び、爆発的な売れ行きを見せた。しかし、事態は急速に暗転する。書かれた内容の事実関係や、やしきたかじん氏の元親族に対する記述を巡り、遺族側から激しい抗議の声が上がったからだ。
インターネット上のコミュニティでは、書籍内の記述矛盾を突き止める検証作業が加速。かつて感動のストーリーとされた『殉愛』は、一転して激しい論争の渦中に放り込まれた。出版社である幻冬舎や著者の百田尚樹氏を巻き込んだこの騒動は、出版界のみならず社会全体を揺るがす異例の事態へと発展していった。