「18歳で成人したのだから、タトゥーも自分の意思だけで自由に彫れるはずだ」という認識は、半分正しく、半分は危険な誤解を孕んでいます。日本国内において、タトゥー(刺青)の年齢制限を直接定めた単一の国家法律(いわゆる「タトゥー法」のようなもの)は存在しません。しかし、各都道府県が独自に制定している青少年保護育成条例において、極めて厳格な規制が敷かれています。
東京都をはじめとする全国の自治体では、青少年保護育成条例の中で「何人も、青少年に対して、入れ墨を施し、若しくは受けさせ、又はこれらの周旋をしてはならない」と明記されています。ここで定義される青少年の多くは「18歳未満の者」を指します。つまり、17歳以下の未成年者に対するタトゥーの施術は明確な違法行為です。
ここで極めて重要なのが、彫師側に科される罰則の重さです。未成年に施術を行った彫師には、自治体の条例に基づき50万円以下の罰金や拘禁刑などの刑事罰が科されます。警察の摘発対象となるのは施術者側であるため、プロとして活動する優良なタトゥースタジオほど、年齢確認に対して極めて神経をとがらせています。
さらに見落とされがちなのが、民法上の成年年齢引き下げと条例の兼ね合いです。民法上は18歳で親の同意なく契約を結べるようになりましたが、多くの自治体の青少年保護育成条例では、青少年の定義を「18歳に達する日の属する年度の末日(3月31日)まで」と定めているケースがあります。つまり、「18歳の誕生日を迎えていても、高校を卒業する年の3月31日までは法的に青少年扱いとなる」自治体が存在する点に注意しなければなりません。