人気最高峰の時に結婚を決意し、足を踏み入れたのは伝統と格式が支配する大相撲の世界だった。かつての名大関であり、角界の貴公子と称された夫と共に歩み出した二子山部屋での日々は、華やかな女優業とは対極の、朝から晩まで裏方に徹する壮絶な生活だった。
若い弟子たちの食事の世話からメンタルケア、来客への応対に至るまで、女将にかかる重圧は想像を絶するものだった。伝統を守る日本相撲協会の厳しい眼差しと、部屋の存続をかけた日々。彼女は持ち前の気配りと芯の強さで、後に「若貴フィーバー」と呼ばれる空前絶後の相撲ブームを陰から支え続けた。