制作の現場革新は、クリエイターの組織にも大きな刺激を与えている。日本映画監督協会を取り巻く議論においても、本作が採用した革新的なワークフローや契約体系は大きな注目を集めている。硬直化していた従来の映画制作業界に対し、本作の試みは持続可能な制作環境の構築という課題に対する鮮やかな解答を提示した。
クリエイターの権利保護と世界基準の制作費確保。このふたつを高度に両立させたプロデュース手法は、今後の邦画制作における試金石となるはずだ。単一の映画作品という枠組みを超え、日本の映像産業そのものが構造改革の大きな渦へと巻き込まれようとしている。