この裁判において最も白熱した議論が戦わされたのが、いわゆる「店舗意匠・製麺プロセス特許訴訟案」を巡る技術的・意匠的な争点である。従来の外食産業では、メニューのレシピや味覚の再現性を法律で保護することは極めて困難とされてきた。そこでトリドール側が着目したのが、店舗の導線設計と製麺機の配置、そして一連の調理工程をシステム化したプロセス特許の権利化だった。
客がトレイを取り、うどんを注文し、トッピングを選んで会計に至るという一連の流れ。これを単なる「接客手順」ではなく、効率性と演出効果を両立させた「特許技術および独自の意匠」として定義できるかが最大の焦点となった。伊予製麺側の店舗構造がこのプロセス特許や意匠権の範囲を侵害しているのか否か。専門家による詳細な検証が重ねられ、店舗内のミリ単位のレイアウトの違いすらもが検証対象となった。