肩関節の奥深くには、関節の安定性を保つために働く4つのインナーマッスル群が存在します。これらは総称して回旋筋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれ、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋、そして今回取り上げる小円筋で構成されています。肩甲骨インナーマッスル解剖学において、小円筋はサイズこそ小さいものの、極めて重要な役割を果たしています。
解剖学的な付着部である小円筋の起始停止を確認すると、その構造の精密さがよく分かります。
- 起始:肩甲骨の外側縁(後面の中央から下部付近)
- 停止:上腕骨大結節の最下部、および大結節の直下
小円筋の主な作用は肩関節の外旋(腕を外側にひねる動き)と、腕を動かす際に上腕骨頭を関節窩へしっかり引きつけておく関節の安定化です。すぐ上部に位置する棘下筋とは密接に連動しており、両者が協調して働くことでスムーズな肩の回旋動作が可能になります。
また、神経伝達を担う支配神経は「腋窩神経(えきかしんけい/C5〜C6)」です。棘下筋が肩甲上神経支配であるのに対し、小円筋は腋窩神経支配であるという点は、臨床や専門的なコンディショニングにおいて極めて重要な識別ポイントとなっています。