現地取材で目撃した独自展示のハイライトは、一般的な図鑑の主役たちを完全に脇役に追いやるマニアックな展示構成だ。特に目を引くのは、相模湾から紀伊半島にかける深海域に棲む微小な節足動物や、他の生物に寄生・共生する奇妙な無脊椎動物のコーナーである。色鮮やかなウミウシの仲間が滑るように動く傍らで、岩の隙間に潜む地味ながら複雑な構造を持つ刺胞動物が鎮座している。
さらに見逃せないのが、季節ごとに研究者が直接採集・投入する臨時の特別展示水槽だ。採集されたばかりの学術的に貴重な個体が、論文発表とほぼ同タイミングで公開されることもある。研究の「今」がそのまま水槽に反映される臨場感は、まさに生きている研究室そのものだ。