彼のキャリアの礎となったのは、かつて所属していた劇団テアトル・エコーでの日々だ。軽妙な西洋コメディの翻訳劇や軽演劇の現場で磨かれた笑いのセンスは、後に彼が築き上げる独創的なスタイルの根幹となった。
喜劇・コメディの世界において、「ニン」は笑いの質を左右する決定的な要素となる。どんなに緻密に計算されたコントであっても、演者の「ニン」がその役に合っていなければ、観客は冷めてしまう。「笑わせようとするな、役に切実であれ」。劇団時代に叩き込まれたこの教訓が、後にあらゆる役柄に対応できる柔軟な演技力の土台となった。