1960年代、日本クラウンからデビューした西郷輝彦は、橋幸夫、舟木一夫とともに「御三家」と称され、日本の歌謡曲黄金時代を築き上げた。「星のフラメンコ」をはじめとする大ヒット曲の数々は、今なお人々の記憶に鮮烈に残っている。
歌手として頂点を極めた後も、彼の探求心は止まらなかった。テレビドラマ『どてらい男』で泥臭く力強い主人公を演じきり、俳優としての確固たる地位を確立。NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』では豪放磊落な名将・片倉小十郎役を熱演し、茶の間の心を掴んだ。ジャンルを超えた表現者として駆け抜けた人生の根底には、常に未知の世界へ飛び込む情熱が脈打っていた。