「監査が入る日だけは、全員が書類通りの配置につく。だが普段の現場は綱渡りだ」。豊中市内の認可保育園に勤める30代の保育士は、声をひそめて明かした。書類上の保育士比率が基準を満たしていても、事務作業や保護者対応、嘔吐処理などに追われれば、子ども全体を見渡す目は容易に奪われる。
市が公表した事故集計データによると、発生場所の約6割が「屋外活動中」または「午睡(お昼寝)中」に集中している。散歩ルートの危険箇所チェックや呼吸確認といった基本的な予防策が、人員の余裕を失った現場で「ルーティン作業」化し、危機への感受性を鈍らせていたのだ。