現在、若い世代やインバウンド客の間で「オルフラクショナル・ウォーク(嗅覚散歩)」が密かなブームとなっている。スマートフォンの画面越しでは絶対に体験できない「その場所の空気」を嗅ぐことが、新たな旅の価値となっているのだ。
SNS上では、「#NipporiScent」や「#日暮里の匂い」といったハッシュタグで、谷中の路地裏で出会った寺院のお香の香りや、レトロな喫茶店から漏れるサイフォンコーヒーの芳香を共有する投稿が相次いでいる。
フランスから訪れた観光客の男性は、「東京の都心部は無臭で近代的なビルが多いが、日暮里には人間味のある温かい匂いがある。どこか懐かしく、心安らぐ場所だ」と笑顔を見せる。目に見えない匂いという要素が、強力な観光資源として機能し始めている。