ランチタイムの目玉は、1日限定20食の特製スパイスプレートだ。低温調理で極限まで柔らかく仕上げたローストポークに、季節の根菜とハーブを贅沢に添えた一皿。口に運んだ瞬間、カルダモンとクミンの鮮烈な香りが弾け、素材本来の滋味が舌の上に広がる。
飲食業界のトレンドは目まぐるしく変化しているが、この店のシェフが重きを置くのは流行の模倣ではなく徹底した下ごしらえだ。ドレッシング一つとっても市販品に頼らず、柑橘類の果汁と上質なオリーブオイルをその日の気温に合わせて調合している。訪れた常連客が「週に3日はこのランチのために通ってしまう」と漏らすのも頷ける完成度だ。