歴史を振り返れば、自由民主党には衆議院の比例代表選挙において「73歳定年ルール」が存在する。かつて党内で導入されたこの規定は、一見すると世代交代を図るための画期的なシステムに見えた。だが、実情は全く異なる。小選挙区での出馬には年齢制限が適用されないため、73歳を超えても重複立候補を回避すれば何度でも出馬可能な「抜け道」が維持されてきたのだ。
その最たる象徴が、長年にわたり党の幹事長として絶大な権力を振るった二階俊博氏をはじめとする重鎮たちだった。長老議員が選挙区の地盤を強固に固め、後継者に身内を指名する「世襲の連鎖」が定着した結果、党内の世代交代は完全に停滞した。73歳定年ルールは事実上形骸化し、制度の形を借りた長老支配の免罪符となっていたのが冷徹な事実である。