「義姉」という漢字表記に対する本来の音読みは「ぎし」である。いっぽうで、日常会話において「あね」あるいは「義理の姉」と呼ぶケースも一般的だ。
文部科学省の文化庁が策定する常用漢字表を参照すると、「義」の音読みは「ギ」、「姉」の音読みは「シ」、訓読みは「あね」と規定されている。つまり、二つの漢字を音読みで組み合わせた「ぎし」が、日本語の体系において最も標準的かつ正式な訓読・音読のルールに合致する。
文字のルーツを探る日本語学の視点も興味深い。古代文字研究の第一人者である白川静の成果を紐解けば、「義」という字は「筋道」や「社会的な取り決め」を象徴する。血縁ではないが社会的な関係性によって成立した姉であることを示す文字なのだ。国立国語研究所による日常語の意識調査においても、文章を音読する場面では「ぎし」と読む認識が圧倒的多数を占めている。