初めて迎賓館赤坂離宮を訪れる人の多くが直面する最大の落とし穴が、「正門からは入れない」という事実です。JRや地下鉄の駅から歩き、迎賓館前公園の先にそびえる壮麗な正門(外周の鉄柵)に到着しても、重厚な扉は固く閉ざされているか、警備員から「見学受付は西門へお回りください」と案内されることになります。
迎賓館の敷地外周は約2キロメートルに及び、正門から一般参観用の西門までは緩やかな上り坂を含めて約500〜600メートル(徒歩で約7〜10分)の迂回が必要です。特に夏場や雨天時、あるいは高齢者や子ども連れの場合、この誤認による移動は大きな身体的負担となります。
なぜ西門が入場口に設定されているのでしょうか。内閣府迎賓館管理事務所の運用設計によると、主たる理由は「国家レベルのセキュリティ管理」と「来訪者動線の整流化」にあります。迎賓館は現役の外交施設であり、国賓を迎える正門エリアの独立性を保ちつつ、敷地西側に整備された最新のセキュリティチェック設備(大型X線検査機や金属探知ゲート)へ来訪者を直接誘導するため、すべての一般受付が西門に集約されています。