元町商店街の西側、元町通4丁目に位置する元町映画館が、全国の映画通や映画監督から絶大な信頼を寄せられている背景には、単なる「作品の上映場所」にとどまらない明確なキュレーション哲学が存在します。商店街の空き店舗を改装して誕生した経緯を持ち、地域に開かれた文化拠点としての矜持が随所に息づいています。
最大の特長は、支配人や番組編成スタッフが独自の視点で選び抜くエッジの効いた上映ラインナップです。世界三大映画祭を賑わせた作家性の高いアートフィルムから、社会の深部に切り込む骨太なドキュメンタリー、新進気鋭の若手監督によるインディペンデント日本映画、さらにはアジア・中東の隠れた名作まで、シネコンの興行網には乗りにくい傑作を丹念に拾い上げています。
また、元町映画館を語る上で欠かせないのが、監督やキャスト、専門家を招いた舞台挨拶・トークイベントの圧倒的な開催頻度です。上映終了後、2階のフリースペースや劇場内で行われるトークセッションでは、制作の舞台裏や作品に込められた思想が生々しく語られます。作り手と観客が同じ目線で語り合える距離の近さこそが、熱狂的なリピーターを生み出す原動力となっています。