連載完結から10年が経過した2026年、ポップカルチャー研究の世界では、昭和から平成にかけての少年漫画におけるセクシャル表現やコンプライアンスの歴史的検証が進んでいる。かつて当たり前のように描かれていたお色気ギャグは、単なる「古い表現」として切り捨てられるのではなく、当時の社会規範や少年文化の変遷を示す貴重な文化的資料として捉え直されている。
過度なコンプライアンス意識によって過去の作品を暗闇に葬り去るのではなく、当時の時代背景を踏まえた上でどのように受容し継承していくべきか。デジタルアーカイブが完成しつつある現代だからこそ、初期『こち亀』が持っていた尖った熱量と表現のエネルギーを冷静に振り返る議論が活発化している。