「ステージ4=手遅れ」という認識は、もはや過去のものとなりつつある。大腸がんは、進行がんの中では比較的進行が緩やかであり、適切な治療によって長期生存や、場合によっては根治を目指すことも可能になってきている。
特に2026年現在、がんゲノム医療の普及によって、患者一人ひとりの遺伝子変異に合わせた「個別化医療(プレシジョン・メディシン)」が標準化された。効果の高い分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、従来の抗がん剤では効果が見込めなかった症例でも、劇的に腫瘍が縮小するケースが増えている。
また、肝臓や肺への転移があっても、手術で切除可能な状態まで腫瘍を小さくする「コンバージョン手術」の成功率も向上している。医療の現場は今、「がんを完全に排除する」だけでなく、「がんと共存しながら生活の質(QOL)を保つ」というフェーズに移行している。