救急搬送の現場における最大の課題は、限られた医療リソースをいかに迅速かつ的確に配分するかだ。同院の高度救急救命センターでは、2026年に入り救急隊との情報共有を完全リアルタイム化する新システムを全面導入した。心電図やバイタルデータ、車内映像が病院到着前に専門医へ共有され、受け入れ準備は事前完了する。
さらに、初診時の重症度判定を補助するAIトリアージの導入により、見落としリスクの極小化と優先度判定の精度向上を実現した。「以前なら到着後に始まっていた検査の段取りが、いまや車中から始まっている」と現場の救急医は語る。1分1秒の短縮が脳や心臓の予後を大きく左右する急性期医療において、このデジタルシフトはすでに多くの命を救う原動力となっている。