この概念の違いは、日本人の英語学習における永遠の課題にも直結している。「聞き流すだけで英語が話せるようになる」という教材がかつて流行したが、あれは典型的な「ヒアリング」のアプローチだ。意識を向けずにただ音を浴びていても、脳はそれを雑音として処理してしまう。
語学力を劇的に向上させるには、一言一句を集中して聴き取る「リスニング」の訓練が不可欠だ。シャドーイングやディクテーションといった負荷の高い学習法が効果的なのは、脳に能動的な情報処理を強制するからに他ならない。音を「聴く」という強い意志がなければ、言語は脳に定着しないのだ。