多くの人が「痛みを伴わないなら医療機関に行く必要はない」と判断しがちです。しかし、痛みのない関節音こそ、関節の噛み合わせが狂い始めている初期の機能不全サインである点を見逃してはなりません。
痛みがない状態でも音が頻発する背景には、関節を支える靭帯や筋肉のアンバランスが存在します。特に多いのが、過去に経験した捻挫の後遺症による靭帯の緩みです。足首を一度でも強く捻挫すると、外側を支える前距腓靭帯などが伸びたまま修復され、関節の適合性が低下します。その結果、関節の骨同士が正常な軌道からわずかにズレて動くようになり、腱の引っ掛かりや気泡の発生を誘発しやすくなります。
痛みのない段階で長期間放置し続けると、ズレた軌道のまま関節軟骨に偏った摩擦負荷がかかり続けます。軟骨は神経が通っていないため削れてもすぐには痛みを感じませんが、摩耗が進んで骨同士が直接ぶつかる段階になると、急激な激痛や炎症を引き起こすことになります。