映像だけでなく「音」の面でも、映画ならではの緻密な仕掛けが用意されている。特報映像で流れるテーマ曲のバックで聞こえる、かすかな「不協和音」と「秒針の音」。これらは視聴者の不安感を意図的に煽る認知心理学的なアプローチだと音響エンジニアは指摘する。
アニメ版でおなじみのポップでコミカルなBGMが、ある瞬間を境に重低音のノイズへと変貌を遂げるカタルシス。映画館の立体音響システム(Dolby Atmosなど)を通じて響く怪物の咆哮や、追い詰められたキャラクターたちの荒い息遣いは、観客を恐怖の渦へと巻き込むだろう。耳から侵入する違和感が、物語の暗転を予感させる雄弁なシグナルとなっている。