物語最大の謎であった龍神大橋の崩落事故原因は、単なる設計上の計算ミスや不可抗力の突風ではありませんでした。調査が進むにつれて浮かび上がったのは、建設コストの大幅削減と工期短縮を狙った「低品質なケーブル資材の使用」と「施工手順のデータ改ざん」です。
現場で死亡した作業員・若松毅は、下請けの立場でありながら帝和建設上層部の意向を受けた密命を帯びており、破断の危険性を知りながら意図的なボルトの締め付け工作に関与していました。その背後には、東京都から受注した巨大事業の予算超過を隠蔽し、利益を政財界に環流させる組織的な不正構造が存在していたのです。
狩山が計画した刑務所脱獄は、暴力的な脱獄ではなく、刑務官・林一夫の弱み(妻の高額な医療費を巡る賄賂疑惑)と刑務所内の火災騒乱を利用した頭脳戦でした。脱走犯として警視庁から指名手配され、刑事・黒木正興の包囲網が狭まる中、狩山は事故の決定打となる「改ざん前のオリジナル設計データ(SSD)」を回収すべく、命懸けの逃避行を繰り広げました。