銀幕に彼が登場すると、物語のトーンがすっと深みを増す。日本映画界において、彼のように主役を食うほどの存在感と、主役を引き立てる調和の双方を兼ね備えたバイプレイヤーは極めて貴重だ。
現場のスタッフからは、彼の誠実な人柄を称える声が後を絶たない。カメラが止まれば周囲への細やかな配慮を忘れず、過酷なロケ現場でも場を和ませる。父・川谷拓三が多くの映画人に愛されたように、彼もまた現場の職人たちから絶大な信頼を寄せられている。飾らない人間味とプロとしての苛烈なこだわりが、彼の演技に深遠な奥行きを与えている。