「狸」を用いた熟語には、動物の生態や伝承上のイメージを反映した独特の表現が数多く存在します。代表的な熟語とその意味・読み方を整理しました。
1. 狸寝入り(たぬきねいり)
実際には眠っていないのに、都合の悪い追及や状況を逃れるために眠っているふりをすること。タヌキが突然の物音や銃声に驚いた際、一時的に失神して擬死(死んだふり)をし、油断した隙に逃げ出す習性が由来とされています。
2. 狐狸(こり)
キツネとタヌキの総称。古代の民間信仰において、人を化かす代表的な怪異とされたことから、転じて「人を騙す悪賢い者」「陰で悪巧みをする者」を指す比喩表現(例:狐狸妖怪が跳梁跋扈する)としても使われます。
3. 古狸(ふるだぬき)
年季の入ったタヌキのことですが、比喩として「長年の経験を積み、裏も表も知り尽くして悪賢くなった老巧な人物」を指します。組織や業界の重鎮を揶揄・警戒するニュアンスを含んで用いられる言葉です。
【その他の主な狸関連熟語】
- 野狸(やり):野生のタヌキ、または山野に棲むヤマネコのこと。
- 狸毛(りもう):タヌキの毛。書道用の高級な筆(狸毛筆)の材料などに使われます。
- 狸藻(たぬきも):水中に生息する食虫植物。水中の茎葉がタヌキの尾に似ていることから名付けられました。