「社長という職責は、究極の孤独だ」。いつの時代も語られてきた格言だが、不確実性が増した2026年のビジネス環境においては、その重圧は増すばかりである。気候変動リスク、地政学リスク、さらには急激な為替変動。経営者が下すたった一つの決断に、数万人の社員とその家族の生活が懸かっている。
こうした極限状態において、秘書は単なる実務担当者を超え、メンタルな支柱としての役割を担うケースが増えている。アドバイスを与える必要はない。ただ、経営者が迷いや弱音を吐き出せる環境を提供すること自体が、意思決定の質を保つ上で決定的な意味を持つ。
客観的な視点を保ちつつ、無条件の信頼を寄せる存在。この「絶妙なディスタンス」を保てる人物がそばにいるかどうかが、激動期における企業舵取りの成否を分ける局面が増えている。