作品を牽引する最大のエンジン、それは主人公みつば・アルノーという強烈な存在だ。彼女は英雄でも正義の味方でもない。ただ過酷な戦場と政治の泥沼を生き残るために、自らの頭脳と他者を利用し尽くす。その行動原理には一切の迷いがなく、冷酷でありながらもどこか魅惑的なカリスマ性を漂わせる。
著者である七沢またりが生み出すヒロイン像は、常に異彩を放つ。死線の淵に立ちながらもニヤリと笑い、死神のような冴え渡る采配で戦況をひっくり返す。この独特のキャラクター造形こそが、他の追随を許さない熱狂的なファン層を形作っている理由だ。