1960年代後半から70年代にかけて、日本の美術シーンを根底から揺るがしたもの派運動。その中心にいたのが、東京藝術大学で油画を学んだ若き日の芸術家たちだった。近年、国立国際美術館アーカイブに新たに収蔵・整理された未公開の日記や手記資料から、当時の生々しい葛藤と熱量が立ち現れている。
既存の「作る」という概念を打ち壊そうと画策した関根伸夫の空間的実験や、理論的支柱となった李禹煥との濃密な対話。その渦中で、彼は自らの皮膚と壁、木材、あるいは空間そのものとの境界線を測定しようと試みた。紙に書き残されたメモには、「描く」ことへの疑問と、物質と出会った瞬間の鋭い興奮が殴り書きのように刻まれている。