拓大紅陵を語る上で絶対に外せないのが、アルプススタンドから響き渡る吹奏楽部の応援だ。とりわけ名曲として全国に知られる「チャンス紅陵」は、演奏が始まった瞬間にスタジアム全体の雰囲気を一変させる圧倒的なエネルギーを持っている。相手投手に強烈な圧迫感を与え、味方打者の背中を押すその旋律は、まさに「魔曲」の名にふさわしい。
「あの音が聴こえると、勝手に体が動く」と選手たちが口を揃えるように、ブラスバンドとグラウンドの一体感は拓大紅陵最大の武器だ。金管楽器の重厚な重低音が甲子園に響き渡るとき、試合の流れは一気に彼らのペースへと引き寄せられる。応援の力が試合の潮目を変える瞬間を、観客は何度も目の当たりにしてきた。