「自分はお酒に強いから大丈夫」「休肝日を作っているから問題ない」という過信こそが、実は最も危険な落とし穴だ。世界保健機関(WHO)が提唱する国際的なスクリーニングツールAUDIT(アルコール使用障害同定テスト)は、飲酒頻度や量だけでなく、飲酒に対する心理的執着や行動の変化を詳細に数値化する。10個の質問からなるこのテストは、危険な飲酒パターンを早期に発見するための世界基準だ。
専門医が指摘する「隠れたサイン」には、極めて日常的な振る舞いが含まれる。たとえば、帰宅して真っ先に冷蔵庫の缶チューハイを開けるルーティン、家族に隠れて酒を買い足す行為、あるいはブラックアウト(飲酒中の記憶が飛ぶ現象)の頻発だ。これらは脳の報酬系回路がアルコールにジャックされ始めている警告信号に他ならない。危険度レベルが高まる前に、まずは客観的な指標を用いて今の飲み方をセルフチェックすることが強く推奨されている。